ファクタリング業者の選び方

近年、手軽な資金調達が可能ということから話題となっているファクタリングサービス『審査が通りやすい』『入金までのスピードが速い』『小額から債権を買い取ってもらえる』『負債にはならない』というようなメリットがあり、すぐに資金繰りをしたい中小企業の心強いサポーターとも言えます。その反面、法外な手数料の請求、無許可の貸金、闇金業者の偽装など悪質なファクタリング業者が混在しているのも事実です。今回はそういった悪徳な業者を見極めることが出来るよう、ファクタリングサービスのタイプや選び方、比較ポイントなどを分かりやすく解説していきます。

【ファクタリングサービスのタイプと選び方】

ファクタリングサービスは3つのタイプに分けられます。

  • スピードとオンライン完結に強みを持つタイプ
  • 一定規模以上の資金調達に適したタイプ
  • 対面型で複数の契約や審査方式を持つタイプ

▶スピードとオンライン完結に強みを持つタイプ

すぐに現金が必要な場合はオンラインがおすすめ。オンライン上で手続きが完結するファクタリングサービスなら請求書の他、本人確認や銀行口座の明細などの必要データをアップロードするだけで審査申し込みが可能。また、万が一、書類の不備や提出漏れがあった場合にもすぐに対応が可能です。他のタイプと比較して手数料が高いということもありません。また、最近ではAIを活用したサービスも出てきており、最短45分で審査結果を得られるものも。売掛債権の現金化を急いでいる場合は、こちらのタイプのサービスを利用するのが良いでしょう。

▶一定規模以上の資金調達に適したタイプ

ファクタリングサービスの買取額の上限は数千万から数億円規模まで会社によって大きく異なります。必要な資金調達額が多い場合は「マネーフォワード」「トップ・マネジメント」のように、数億円規模の対応経験が豊富なサービスを選ぶのが良いでしょう。

▶対面型で複数の契約や審査方式を持つタイプ

オンラインは少し不安だという場合には、昔ながらの対面式のファクタリング会社もおすすめです。得に『自社の財務状況を踏まえた上でファクタリング利用すべきか相談したい』『2社間、3社間どちらの契約方式がよいか悩んでいる』など担当者に色々相談した上で資金調達方法について決めたい場合や、直接面談することで信用性や審査の透明性を見極めたい場合にはこの対面式がおすすめです。

【ファクタリングサービスの比較ポイント】

▶手数料

ファクタリングは借入ではないため、『金利』はかかりませんが、売掛額や取引方法に応じて手数料が発生します。ファクタリングの手数料の相場は2社間ファクタリングで8%~18%、3社間ファクタリングで2%~9%程度です。各サービスとも目安は記載されていますが、実際の手数料は『取引先(売掛先)の企業の信用度』『売掛債権の金額』によって異なります。見積りが出るまでは正確な手数料は把握できません。ですので、できれば複数社に同時に見積もりを依頼し、その中で比較検討すると相場観が把握できて安心です。

▶入金スピード

オンラインで申し込むか、対面式か、2社間または3社間などサービスや取引方法、金額の規模によって入金スピードは異なります。手数料は高いですが、通知・承諾なしの2社間ファクタリングの方がより入金はスピーディーです。

▶買取可能額

ファクタリングサービスによって、買取可能額の下限と上限は違います。高額入金の場合は法人に限定している所もあり、数万円程度の少額から数億円規模まで対応できる金額は会社によりさまざまです。

▶審査方法

オンライン・電話・ファックスやメールなどで申し込みをした後、ファクタリング会社は貴社の取引先(売掛先)を審査、その後問題なければ必要書類などをオンラインや対面などで提出し、審査を待つという流れが一般的です。オンラインで完結できるサービスであれば、場所と時間を選ばずに手続きが進められるためよりスピーディーで効率的です。反対にオンラインのみでの手続きに不安がある場合は電話審査や対面で面談を設けているサービスを検討してみるのが良いでしょう。

【信用できる会社かどうかを見極めるポイント】

  • 会社の基本情報が明示されている
  • 極端に甘い条件でない
  • 契約条件がはっきりしている
  • 保証人や担保を要求しない
  • 償還請求権ありの契約に気を付ける

急ぎの手元資金調達に便利なファクタリング。金融機関の融資とは異なるメリットも沢山存在しているため、小規模事業主や個人事業主も利用しやすく、赤字決算や債務超過に陥っていたとしても利用できる可能性が高いことから、上手く活用すれば資金繰りの改善に役立ちます。ただし、ファクタリング会社により手数料も異なるため、複数サービスから見積もりを取り、しっかり比較検討する必要があるでしょう。また、信用できるかどうかにかんしては上記で挙げたようなことに注意して比較するのがおすすめです。これらを踏まえた上で、自社に最適なサービスを見つけましょう。