ファクタリングを利用したいけれど、税金周りが複雑そうで躊躇してしまう…。ファクタリング取引は企業の持つ『売掛債権』を売却することで、他の資金調達方法と比較してスピーディーに資金調達ができる手段です。しかし、利用したことのない方にとっては上記のような不安から利用を踏みとどまってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はファクタリング取引が『非課税』である理由について細かく解説していきます。
【ファクタリング取引と手数料が非課税の理由】
▶『売掛債権の売買(譲渡)』 は非課税取引と国税庁が定めている
国税庁のHPでは課税対象にならない取引の事例が掲載されています。消費税の対象とならない『非課税取引』にあたるのは以下の17項目となります。(以下国税庁HP引用)
・土地の譲渡および買い付け
・有価証券等の譲渡
・支払手段(注)の譲渡
・預貯金の利子および保険料を対価とする役務の提供等
・日本郵便株式会社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡および地方公共団体などが行う証紙の譲渡
・商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡
・国等が行う一定の事務に係る役務の提供
・外国為替業務に係る役務の提供
・社会保険医療の給付等
・介護保険サービスの提供等
・社会福祉事業等によるサービスの提供等
・助産
・火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供
・一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付け等
・学校教育
・教科用図書の譲渡
・住宅の貸付け
課税対象取引は、国内において『事業者が事業として対価を得て行う取引』に該当しますが、ファクタリング取引はあくまで『有価証券の譲渡』に該当するため、非課税取引となります。
▶ファクタリングの手数料が非課税となる理由
ファクタリングを利用する際に売却した『売掛債権』の金額をファクタリング会社に手数料として支払います。この手数料もファクタリング取引では『非課税』となります。根拠としては同じく国税庁のHPの『預金や貸付金の利子など』に掲載されており、その中で『手形の割引料』には消費税はかからないとされています。ファクタリングの手数料はこの手形の割引料に該当すると考えられているため、非課税となります。ファクタリングと似た取引として『手形割引』というものがあり、ファクタリングと同様に手形の支払い期日まで待たずに現金化することができる資金調達方法の1つです。この取引の場合は手形を買い取る銀行や手形割引業者は手形の額面から『割引料(ファクタリングでいう手数料)』を差し引いた残りの金額を利用者に支払いますが、この時割引料に対して税金は発生しません。このことからも、ファクタリングで支払う手数料も非課税ということが判断できます。
【ファクタリングで消費税が発生するパターン】
▶債権譲渡登記が必要な場合
ファクタリングにおいて『債権譲渡登記』が必ずしも必要になるわけではないのですが、2社間ファクタリングを契約する際に『売掛債権の登記を行っておくことでファクタリング取り引き後に第三者から売掛金の所有権を主張された場合でも、ファクタリング会社が債券の所有者であることを主張できるため、債券の二重譲渡による資金未回収リスクを減らすことができる』というような目的でファクタリング会社から債権譲渡登記を求められることがあります。債権譲渡登記を行う場合、登記費用として
・登録免許税(7,500円~15,000円)
・司法書士に対する報酬(5万円~10万円程度)
がかかり、その費用は利用者負担となるのですが、この『司法書士に対する報酬』は消費税の課税対象となっています。
【ファクタリングとインボイス制度】
インボイス制度は『生産、流通などの各取引段階で二重、三重に税がかかることのないよう、課税売上に係る消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額を控除し、税が累積しない仕組み』のことです。ファクタリングの場合は、支払ったファクタリング手数料は『非課税仕入』となり、ファクタリングによって得た現金は『非課税売上』となります。そのため、ファクタリング制度自体で課税対象のものがなく、ファクタリングの契約書や領収者などをインボイスに対応させる必要はありません。このようにファクタリング取引においてインボイスが介在する余地はありません。インボイス番号を聞いてくるようなファクタリング会社には注意しましょう。
【消費税を請求してくる悪徳業者に注意】
ファクタリング会社に見積もりを依頼した時に『消費税が加算されている』といったケースがあります。先ほども話したようにファクタリング取引では原則、消費税がかかるような取引は存在しません。そのため、消費税が加算されたような見積もりを提示してくるような業者は『悪徳業者』と判断して良いでしょう。ファクタリング取引ではそもそも他の資金調達方法よりも割高な手数料を支払うにも関わらず、さらに不要な消費税を加えられては本来受け取れるはずの資金がかなり目減りすることになってしまいます。すぐにでも現金化が必要な場合であっても、こういったケースに遭遇した場合はそのファクタリング会社との取引はすぐに中断するようにしてください。
【まとめ】
今回はファクタリング取引で調達できる資金と手数料にどうして消費税がかからないのかについて解説しました。取引を利用する際に不安になった場合には『国税庁HP』にこれらの根拠について詳しい掲載があるため確認するとよいでしょう。ファクタリング取引ではどのような理由であっても課税されることはありません。税金に関するポイントを押さえ、悪徳業者に騙されないように気をつけましょう。