ファクタリングの審査基準とは

近年注目されている資金調達方法であるファクタリング。使用を検討するにあたって気になるのが『審査に本当に通るのか』ではないでしょうか。今回はファクタリングの審査基準、審査に落ちないためのポイントや対策などについて紹介していきます。

【ファクタリングの7つの審査基準】

①申し込み会社の取引先(売掛先企業)の信用力

ファクタリング会社が審査におちて最も重要視するのが『取引先(売掛先)の信用力』です。理由としては、ファクタリング会社がお金を回収するのは申し込み会社からではなく、申し込み会社の取引先(売掛先)であるからです。そのため取引先(売掛先)が『公的機関・上場企業』などの場合は信用力が高いと判断され、審査に通りやすくなるでしょう。また、資金の未回収リスクも低いため、ファクタリングの利用手数料自体も低くなる傾向にあります。

②売掛債権の支払い期間の短さ

ファクタリングの審査は売掛債権の支払い期間が短いほど通りやすくなります。理由としては回収までの期間が短い方がファクタリング会社にかかる負担が少なくなるためです。また、期間が長いほど貸し倒れ、未回収リスクが高くなります。審査をスムーズに進めたい場合はできれば2か月以内に期日がくる売掛債権を買い取ってもらうのが良いでしょう。

③2社の間に継続的な取引があるか

利用者と取引先が手を組み、ファクタリング会社からお金をだまし取るといったケースもあります。そのため、取引経験が浅すぎる2社間の場合はファクタリング会社によっては審査を通さない場合もあるでしょう。どうしても取引経歴が浅い売掛債権を売却しなければならない場合は、信頼してもらうために別途預金通帳や契約書など債権の信用力を証明できる書類を提出するのが良いでしょう。

④利用金額と経営規模のバランスが適切か

会社の規模に対してあまりにも利用金額が大きい場合、審査に通らない可能性があります。自社の経営規模とバランスのよい売掛債権でファクタリング会社を利用しましょう。

⑤売掛債権の信用力

ファクタリングで利用できる売掛債権はすでに売上が成り立っており、支払いを待つだけの状態の債権です。不良債権(支払い期日に資金が回収できない債権)や個人間で契約が行われた債権などは基本的に資金の未回収リスクが高いため審査に通りません。審査をスムーズに進めたいのであれば、なるべく信頼性の高い売掛債権を買取に出しましょう。

⑥ファクタリング利用者の信用力

銀行などの金融機関の融資と比較して優先度はかなり低くはありますが、ファクタリングにおいて利用者の信用力が全く重要視されないわけではありません。理由としては『債権の二重譲渡』や『詐欺』などを防止するためです。そのため、ファクタリング会社にこの会社もしくはその担当者を信用できないと思われてしまうと審査が通らない可能性があります。ファクタリングを利用する際はファクタリング会社に信用してもらえるように丁寧かつ迅速に対応するのが良いでしょう。

⑦資産差し押さえのリスクが低いかどうか

税金を滞納している、借入金の返済を延滞しているなどの場合、それらに対して然るべき対処をしていなければファクタリング会社に売却した『売掛債権』を差し押さえられるリスクがあります。そのため、ファクタリング会社によっては税金滞納や借入金の有無についても確認をすることがあります。しかし、その際にそれらに対して然るべき対応をしていることが分かる書類を提出できれば審査に通る可能性もゼロではありません。1つ1つ丁寧に対処しておくことが大切です。

【審査通過のための3つのポイント】

①信用力の高い売掛先との債権でファクタリングを利用する

先ほど説明した通り、ファクタリング会社が好んで買取を行うのは『取引先(売掛先)が公的機関や上場企業などの信用できる売掛債権』です。あなたが複数の売掛債権を持っている場合は、できれば取引先の信用力が高いものからファクタリング会社に売却するのが審査通過をスムーズに行う上で外せないポイントです。

②支払い期日が近い売掛債権を選ぶ

ファクタリング会社は買い取った売掛債権が回収不能になるリスクを一番避けたいと考えています。支払い期日が長ければ長いほど未回収リスクが高まりますので、売却する売掛債権の支払い期日はなるべく2か月以内のものを選ぶようにしましょう。

③2社間よりは3社間を選ぶ

3社間ファクタリングの場合、取引先(売掛先)の承認も得た上で、取引を行います。また、資金の送金も取引先からファクタリング会社に直接行われます。そのため債権の二重譲渡や資金未回収のリスクが2社間ファクタリングより少なくなるため、審査は通りやすい傾向にあります。2社間で審査にNGが出た場合は、3社間を検討するのも1つの手段と言えるでしょう。

【ファクタリングの審査に落ちるのはこんな人】

売掛先が経営難
売掛先が個人事業主
入金までの期間が長い
売掛債権の額面が低い
不良債権、二重譲渡などの疑いがある、またはその経歴がある
利用者と取引先(売掛先)の取引実績がない、または浅い
税金を滞納しており、その対応ができていない

銀行などの金融機関の融資と比較し、審査基準が寛容であるファクタリングですが、上記の内容が当てはまる場合は審査が通りにくいケースがあります。一方、自社の経営状況や消費者金融からの借入などがある場合でも審査に通る可能性があるため、ファクタリングは経営難に陥る企業の救世主的役割を果たすともいえるでしょう。資金調達の最後の砦ともいえるファクタリングが利用できなくならないように、常日頃から気をつけておくことが大切です。